都市の持続可能性をめぐる要因構造化の試み
サステナビリティ構造化とインタビュー

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1. はじめに

本研究は、都市再生COEメダンアクションスタディ・グループの活動、議論の過程で生まれた次のような認識を背景にして遂行された。

  • 都市再生COEは、分野を超え、都市空間の持続再生を学問体系として構築することを標榜しており、特に、「都市の持続可能性」といったフレーズが頻繁に共通認識として用いられている。
  • 都市空間の持続再生を目指す上で、解決しなければならない問題の多くは、さまざまな分野の人間同士が協力しなければ解決しないものであり、このために、都市の持続再生に関する共通認識の構築が必要とされている。
  • しかしながら、サステナビリティの言語の意味・認識が、地域・研究分野・社会構造によって違うため、分野間コミュニケーションを円滑に行う上で、あらかじめ共通認識としての定義空間を構築した方がいいと考えられている。
  • 持続再生またはサスティナビリティという言語に対する定義空間の構築は、日本では北川[1]ら、東京大学IR3Sなどによって行われてきているものの、最終的に、地球/都市規模のサステナビリティを効率よく追求していく上で、都市を中心にすえた定義空間の議論がいまだなく、是非やるべきであると考えられること。

以上のことから、メダン・アクションスタディでは共通認識としての都市の持続可能性、都市のサステナィビリティの概念構築必要性を認識し、その作業を開始した。具体的には、2005年度後期より、文献調査・座談会・ミーティングなどの活動を行ってきている。その説明はメダンアクションスタディがこれまで発行してきた報告書に譲るとし、本報告はその活動の一環として行った、東京大学都市再生COEに所属する各専門分野の教授陣のインタビューを取りまとめたものである。

 

2. インタビュー概要

上記背景から、COEで共有すべき都市の持続可能性を定義空間を構築することを目的に、所属する各専門の先生に、それぞれの分野で理解されている乃至自分自身が理解している都市のサスティナビリティとは何かについてインタビューを行った。

選定された先生は、表 1のとおり。各分野を代表する研究者として活躍されている方ばかりである。まず予備調査として、インタビュイーに選定された専門家の業績や文章から、本人にとっての「都市の持続可能性」の位置づけを、複数のキーワードと因果関係のリンクによって構成された「サスティナビリティの構造図」としてあらかじめ記述しておき、これを本人に見てもらいながらインタビューを進めるようにした。

それぞれの先生のご意見をうかがう中で、(1)「その分野の総論としてのサステナビリティ観」および(2)「その先生の所有するディシプリンとの関係性」を抽出しCOE関係者全員で考える上でのきっかけになるものを作ることをめざし、インタビューにて都市の持続可能性の「話を聞く」だけでなく、「構造を聞きだす」ということを主導するようにした。

結果としてよかったことは、用意された「サスティナビリティの構造図」の更新が議論の中心に位置付けられたことであり、悪かったことは、それでもインタビューの流れによっては構造の記述にムラができたことであった。以上の経緯から、図 1に示されるような多くの分野の都市再生を記述する上で必要最低限のキーワードと関係性を得ることができた。

次節より各先生へのインタビューの概要を報告する。なお、インタビュー内容には、当時のインタビューのやり方、インタビュー作業上で、円滑に進める点で重要なコツなども気づいたままに書いてあるので、注意されたい。

表 1 インタビュイー一覧

名前 分野
AAA先生 都市計画
BBB先生 都市衛生
CCC先生 コンクリート
DDD先生 建築設計
EEE先生 地震工学

図 1 サスティナビリティ構造図の例




3. AAA 先生(都市工学・計画)

日時: 2006年12月12日 15:00-16:00

インタビュー: AAA 教授(都市計画)

インタビュワー(*メイン司会):
加藤浩徳*(社基・交通)
栗栖太(都市工・都市衛生)
森田芳朗(CSUR・建築)
北垣亮馬(CSUR・建築)
林憲吾(生産研・建築)

概要:
→構造図の説明
→構造図の本質的な問題点の議論
→構造図の中で因果関係が曖昧な項目の質疑
(多様な都市形態の実現はなぜ、持続可能な生活圏域につながるのか・質問1「達成したいテーマ」とともに)
→質問2「サスティナビリティを実現するための制約条件とは何か」
→質問3「同じ又は他の分野の先生達に、自分のイメージするサスティナビリティを実現する上で、やっていただきたいことは何か。」
→北垣質問→林質問→栗栖質問→ハイライズ、ジェーン・ジェイコブス、ハワード田園都市の議論が出る
→世界レベルでみたメソレベルの都市計画制度の不備の問題点
→これを解決することがサステナビリティになる

 

3.1. 議事詳細

  • 構造図の説明→外性条件(○囲みの項目)の説明についてAAA先生から物言いが入る。都市計画なんて、項目のほとんどが外性条件 → 先生個人の思想を
  • それぞれの先生方の思想とか価値判断の上のサステナビリティの哲学的なイメージを解き明かそうとするよりも、我々は工学なのだから、それぞれの学問的立場から、サステナビリティにとってこれからどういうものが必要なのか
  • いいたいことは二つあって、各先生にとって、構造図の情報が古くて、必ずしも先生にとってなじまないものがある、各先生の思想的なものよりも、各専門分野にとってのサステナビリティ周辺のパラダイムをちゃんと解き明かしたほうがよいのではないか。
  • まだまだ構造図では書いてない領域がある
  • 持続可能な生活圏域がまだわからないのでそれが悩み
  • 質の高いという質そのものが明らかになっていない
  • 加藤先生:多様な都市形態の実現はなぜ、持続可能な生活圏域につながるのか→AAA先生:はっきりしたことは実証されていないが、グローバライゼーションの中で、均質な街ができてきつつあり、これがサステナブルじゃない街だと考えている人が多いし、直感的には私もそう思う。それをおこらないために多様な街を残そうという考えを
  • どういう空間がサステナブルかまだわかっていない。だから、一つの方向に突っ走っても、その方向が間違っている可能性があるから多様性を残したほうがいいという議論に落ち着いている。
  • 加藤:必ずしも多様性じゃないサステナブルの都市の形態を提唱している人がいるけど、それはどうか。→AAA:コンパクトな都市形態がサステナブルなのは確かにそうなんだけど、そこまではいい。公共交通を重視したその都市形態が、実は一つに決まらないはずだろう。場所とか環境条件次第で。その解があくまで多様であることが重要で、さらにその中で営まれる空間、生活が多様である必要がある。その先は世界的にも未決のままだ。
  • (加藤)多様な都市生活と同じレベルで、先生の構造図にある「都市の成長管理」が重要視されている気がする。これは多様性とは逆に画一的なものを意味している気がするのですが、そういうことはないのか。→(AAA)成長管理にはいろいろな意味があると思いますが、ある目的をもってその方向にむかって都市を成長させる一番広い意味にとらえると、成長管理が必要で、そうでなければ、社会の要請に応じてほうっておいたら、どうも持続可能になるものじゃないから、そこから脱却するにはどうしたらいいのか、ということを考えるべきではないか。
  • (加)逆説的にいうと、都市成長管理をすること自体が画一化をすすめる懸念もある。→(大)それはそう。
  • (加)サステナビリティの目標と何が制約条件か。(大)「日本で言えば都市計画の弱体性」、「西洋で言えば都市計画の過剰な強固性」ではないかと考えている。
  • (加藤)都市計画の質に関しては、良い悪いの区別が難しいですよね。たとえば、市民参加を
  • (加)達成されてる以外の問題で、制約条件とは何でしょうか。→サステナビリティの明確な定義、サステナビリティは、地球環境や人類存亡に対するアンチテーゼしかないから、本来的にはそこをはっきりさせる必要がある。
  • (加)何に対するアンチテーゼか→(大)普通はサステナビリティの定義は三つ。Environmental、Economy、Equityとなっている。ただこれでは説明にならない。それはそうだとして、我々は具体的に都市空間、都市生活について考えるとすれば、もう少し具体的に踏み込んで考えたい。これもまだ不明。
  • 温暖化、CO2、エネルギー、資源枯渇、これらの問題を考えると、ローインパクト、省エネな都市計画を考える必要がある。これが、Environmental都市に対応するもの。
  • Economyに対応するのは、ほうっておくと、グローバライゼーションの波が来ていて、画一的な下層社会ができてしまうかもしれない。特定のお金持ちを除けば、マクドナルドを三食食べるような画一的な食生活をしなければならない可能性がある。また地方都市の衰退もある。これも巨大な企業社会の中で避けられない現実になってきている。これを地球規模のマーケットメカニズムを阻止するために、地域コミュニティや地場産業とか、ニッチな価値観を維持する仕組みが必要だ。
  • Society(Equity)に対応するのは、民族的差別をおいておいて。東京のようにビジネスマンのようなものに最適化された地域になってしまうと、他の人たちにとっては暮らしにくいものになってしまう。あらゆるタイプの人たちの生活の質を保証することが大事である。もう一つの点は、空間としてのvulnerabilityを排除すること。地震が起きたら何万人も死ぬというようなのはダメである。
  • (加藤)おっしゃるとおりですが、上記目標を達成しようとすると結局画一的な都市にならざるを得ないのではないでしょうか?→環境条件とか、社会的な条件とかいろいろあるから、それは地域によって違うはず。
  • (加藤)それならそれはマーケットメカニズムに任せれば違う都市形態になるのでは?→そうかもしれない。それができればそれが本当はいいかもしれないが、どこまでしばればいいのか、そうするとどういう空間ができるのか、いうのを議論しなければならない。
  • (AAA)評価する軸があって、(1)当事者が責任をもって、公平に判断してやったことか。(2)満足しているか。みんな困っていないか。(3)将来にわたって、正当かどうか。これをうまく成立する、ちゃんとできているものと難しい。
  • (加)このCOEでは、サステナビリティの範囲をアジアぐらいの範囲で考えようとしていると考えているのですが、多様性というのをどの範囲で考えようとしているのか、ほうっておいても多様性は担保される気もしますが、どうでしょうか。→(大)マーケットに任せれば勝手にそれは多様性は保証できるかもしれないが、限られた暮らしやすい質のものと、多くのダメなものとで構成された多様性になってはダメ。よい上記の三つを満たすようなものを多く含んだよい多様性をもった都市ができることはなかなか難しい。たとえば、まぁまぁ通勤可能で、快適で、安全で、まぁまぁ暮らし易くて、というと、東京で場所を探すとあまり選択地がなくなってきているという現実があると思う。
  • (加)他の関係する方々、違う分野に研究者にサステナビリティに関して期待していることはなんですか。→(大)建築の人に、生活に密着した、もっと具体的な空間の形を提案してくれたら、アーキテクトは、あまり庶民のハウジングに興味がない気がする。都市的視点から考えた住宅となると我々がデザインが下手なのに仕方なくやっているが、うまくない。やはり具体的なイメージをもった空間デザインがほしい。土木の人に、このごろはよくなってきているが、機能主義的に構造物、施設を作ったことによる周りへの影響をもう少し考えてほしい。都市、建築、土木が協力して、若い人が研究できる基盤を作っていきたい。
  • (加)今回のインタビューの主旨は、先生個人の意見を通して見えてくるディシプリン(discipline各分野の学問哲学、精神)を聞こうとしているのでこんな感じでいいです。
  • (大)→多用な空間を可能にしたい、そのときにかなり強権的なやり方だけではどっちにしてはできない。マーケットのメカニズムも利用しなければならない。そうなると、それぞれの都市ごとに努力していかなければならない、という風に結果的になっちゃう。じゃあそれだけではサステナビリティが実現できるかがわからない。だからこそ、多様性を可能にしつつ、地球全体としてサステナビリティを実現するというために必要な方向付けをどういう方法でつくればいいかということが大事。
  • 今の消費生活は、一見多様であるようにみえて、それは一軸にならんだ多様性であって、実は、お金持ちはここまでいけて、貧乏人はここまでしかいけない、というようになっているものが多い気がする。マーケットにまかせると、多様性の中身が薄いような気がする。一軸じゃなくて、いろいろな軸をもった多様性(それを享受する人間がお金やある特定の価値観に支配されて多様性の享受のレベルが決まるのではなくて、複数の価値観によって享受できる多様性が変動するような自由度の高い、深みのある多様性?)が必要なのではないか。
  • ある種の都市空間の地域性をどう考えるか。→ハイライズに住みたい人がいる一方で、木造長屋に住みたい人がいるとして、ハイライズの横に木造長屋があるのが、木造長屋の本来の生活の質があるのかというとまた違うはず。ある種のまとまりをもったコミュニティとかまとまりとか、家と単位ではなくて、地域という単位を、人間の生活の質を確保するためにどうやって考えるかも含めて地域を考えることも大事。
  • (栗栖)将来においても多様であるのがいいのだろう、という命題に対しては、解決ができるのか、それでいいのか、というのは難しい問題ですが、そういうのはどうすればよいのだろうか。なんとなく、空間的な広がりがあるからこそ、多様なものが必要であることがもとめられてきている気がするですが。
  • (AAA)20世紀の世界というのはどっちかというとユニバーサルな理想郷を作ろうとしてきた経緯があるが、でも実際には、いろいろなものがでてきてしまった。コルビュジェみたいな輝ける都市もあれば、ハワード的、ジェーン・ジェイコブス的な計画とか。
  • (加藤)そういう風に考えたら、このままでもいい気がしますね。
  • (AAA)だからここまではよかったんだけど、ジェーンジェイコブス的なものはなくなりつつあり、残ってるのは、ハイライズと、田園的なものである。失われつつあるノスタルジーもあるんだろうけど、ジェーン・ジェイコブス的なものがいらないということで、ハイライズと田園都市だけでいいのかもしれないけれども、ジェーンジェイコブス的なものがないと公共交通がなりたたないし、そういう意味では政治構造として、都市計画の分野でここを環境とからめて、後押ししたい政治構造もあるかもしれないね。
  • あらゆる人がみんなハイライズに住んで、そこで生きてるということもありえないわけでしょ。農地を耕している人もいるわけだし、漁師もいるわけだし。
  • (加藤)ノン都市に対する考え方が結構重要になりそうですよね。
  • 年齢によってもかわるはず。若いときはバリバリ働いて、ハイライズのホテルに住まっててもいいけど、子供ができれば暮らしにくいし、田園都市がいいとなる。でも子供が大きくなると暮らしにくいし、ジェンジェイコブス的なところがいいと思うかもしれない。一人の中でも多様な生活があるから、そういう意味でも多様な生活を満たす欲求は少なくともあるはず。これを市場原理にまかせておくと、ジェンジェイコブス的なものがなくなっちゃうから。そういう市場原理の通りにさせていくと問題がある。
  • (加藤)しかし、本当にニーズが顕在化すれば、ジェンジェイコブス的なものがうまれてくるんじゃないのでしょうか。→(AAA)ただ、マーケットが支配すると、ジェンジェイコブス的なものの中にハイライズがたっちゃったり、質のいいまとまりとしての空間が失われたり、問題が起こる気がする。そのあたりをフリーにやらせないで、うまくやっていくか、というのがなかなか難しい。
  • (森田)AAA先生の意見では、中層の建物をどうやって作っていくかにつながっていくかと思うのですが。そういうことでしょうか。→(AAA)つまり、この部分についてはうまくいっているモデルがない。昔は木造密集地域というのがあったのだが、今は防火の問題とか、そういうので、現実的な問題を回避する必要からかわっていかなきゃならないし、ヨーロッパのものが、いいかというとそれもまた。
  • (森田)密度が一番のファクターなのですか?(AAA)というか、容積率が、200%前後のいいモデルというのがない。400以上になるとハイライズになるし、それ100以下になると田園モデルになる。本当はそういうのを考えなければならないのだが。今の三階ミニ戸建てなんてうまくやれればいいかなと思うのだけど。
  • (加藤)個別にはできるんだけど(AAA)まとまりとしてうまくやっていくのは難しい。そういうのを都市計画学科としては考えなければいけないんだけど。
  • (北垣)建築のデザインにおいて、こういう地域とその住宅の設計の課題というのはあるのだろうけど、そういう課題に限って最後は設計ではなくて、家や地域を作るためのルールづくり、いいルールとは何か、という課題に収束してしまう。そうすると建築設計のはずなのに、メソな都市計画とか都市計画法を作るような感じになってしまって、結局実際の都市計画の法律などと照らし合わせて、それはできないとか、その法律を変えてこうしたらできるとか、いう話になって、現実的にできないところで落ち着いてしまう。ここが建築家と都市計画法とのせめぎあいで、地域計画の法律を建築家が作れるなら、もっとおもしろいことができるのに、そういうのはできないから、結局、現実の都市計画がだめなんじゃないか、とか法律がだめなんじゃないか、という話になるだけである。
  • (AAA)今、必要な話はまさにその日本はその領域の仕組みがない。都市計画法というのは、大きな用途地域とかマクロなレベルの計画であって、地区計画というのもあるけど、中身がない。ミクロなところの建築物に対しては建築家がマーケットメカニズムで選ばれていく。で、結局間のものがなくて、議論が進まないし、まちづくり地区条例とかであがいてはいるが、なかなか答えがでない。それもまた世界中で答えがないのが問題なのだと思う。
  • (加藤)それがサステナビリティのロジックとどうかかわっていくか(AAA)かなり距離があると思うけど、このメソレベルの仕組みがないと、いい都市ができないはず。強権的な都市計画や画一的なものや団地やディベロッパー誘導型がいいのかというとそうでもないし、ジェイコブス的ないきいきとした空間ができない。大勢の設計主体が相互にうまく手を結びつつ、かつ自由につくっていくしくみがないときっとこの空間はできない。その仕組みがないと、変な団地をつくると、低所得者層しかすまなくなり、再開発が進んで、ハイライズがたったり、田園都市になったりする、そうすると、サステナブルでなくなる。つまり質のいいメソレベルの容積200ぐらいの低層地域がないと都市はサステナブルにならない、ということなんじゃないかなぁ。全部ハイライズだと多様な人間の生活に受け入れられないし。
  • (AAA)満足の問題があって、これまで低層地域から逃げて、ハイライズか郊外型住宅ににげたか、どちらかの結果を導いてアメリカ型の社会になったといえるのではないか。だけどこの逃げ方は一般モデルになりつつある。
  • (AAA)まず環境や人間存続(これがサステナビリティか?)の観点から、都市をコンパクトにしたいという必要性があって、その中で、いきいき、満足できる高密空間を打ち出せない限り、コンパクトな都市というものは成立しない。これが重要だと考えている。なぜなら住んでる人が満足しないとその形態自体が維持できないから。またこれができたら、この高密空間自体は、多様性をもっているはずだし、多様性を各都市で生み出せるはずである。

 

3.2. まとめ・気づいたポイント

(1) 構造図の直前送付
次回から相手の先生に、インタビュー直前のリマインドメール(1,2日前)とあわせて構造図を送っておくほうがよい。あまり早くに送ってしまうと、相手の先生が構造図をインタビュー前に検討してしまったりするから、構えられてしまう。簡単に一瞥してもらうという意味で、このタイミングで送りたい。

(2) インタビューの開始方法について
まず構造図の説明から入る。このとき、相手の先生から構造図というスタイルの解釈や問題点について指摘される場合がある。ここで時間をかけすぎると目的を達成できない。ここで、「先生にとって、この構造図のどこが都合悪いのか。」ということを把握しようとするとかえって焦点がぼけやすくなる。あらかじめ、下記のことを自分で用意しておいて、そちらに話題を振り向けたほうがよい。

  • 自分が構造図の中でつながりがよくわからなかった部分について質問する。
  • 一見、サステナビリティと関係がなさそうな項目があった場合、それがサステナビリティとどう関係するのかを質問する

(3) インタビューの間のやりとりについて
議論の仕方には以下のパターンが考えられる。

  • 構造図の中で「サステナビリティと無関係にみえる項目」について聞く
  • 構造図の中で「サステナビリティと矛盾する項目」について聞く
  • 構造図の中でサステナビリティとは別に、項目の関係付けがあいまい、意味が通らないなど、「図として問題がある部分」について聞く
  • 上記3項目に関連することをより深く聞くこと。

(4) 三つの定番質問事項
これは感触として非常に効果的であった。この順番で続けるべき

  • 質問1:先生の想像するサステナビリティを実現する上で目標としているテーマは何か。
    →いきなりいわれても多分戸惑うが、話をしているうちにこの話題にもどってくることがある。そうすると本質的な議論に入れる可能性がある。
  • 質問2:先生の想像するサスティナビリティを実現するための制約条件とは何か
    →自分の問題意識を率直に聞き出せれば成功。今思えば、AAA先生の最後のたたみかけるような議論の部分は、先生がはじめに語った「日本の都市計画制度の弱体性」というこの質問への回答がまさに示しているところであると思う。
  • 質問3:同じ分野、あるいは他の専門分野の先生達に、自分のイメージするサスティナビリティを実現する上で、やっていただきたいことがあれば教えてください。
    →AAA先生の回答の仕方もよかったのだが、「社基には○○してほしい」、「建築には○○してほしい」という回答形式はCOE全体としてとてもよい刺激である。

(5) インタビュアーの専門知識の必要性
本質的な議論ができるという点で、これははずせないところ。今後、本格的にインタビューを始める上で、インタビュー時に、先生のところの学生か、あるいは周辺研究をやっている研究室の学生が質問できる状況を作ることが望ましいと思う。



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参考文献

[1] 北川正恭 Research on the Scientific Basis for Sustainability,http://www.sos2006.jp/english/rsbs_summary_e/about-rsbs.html